「これは社内の”秘密兵器”だったんです。けれど、あまりに強力すぎて、外部にも公開する決断をしました」
― Anthropic 技術スタッフ Boris(Claude Codeの開発者)
2024年2月にAnthropicが公開した「Claude Code」。これは、単なるコーディング補助ツールではありません。「ClaudeというAIを、あなたのローカル端末に”常駐するチームメンバー”として呼び出せる」、まったく新しい形の開発体験を提供するツールです。
本記事では、Anthropic社の開発者トークをもとに、ClaudeCodeの本質と使い方、そして今後の可能性までを解説します。
Claude Codeとは?
Claude Codeは、Claudeをターミナルから呼び出して使う”AIエージェント”です。
普段使っているシェル(macOSのTerminalやiTerm2、SSH環境、tmux、IDE内のターミナルなど)上で、claude というコマンドを実行するだけで起動します。
npm install -g @anthropic-ai/cloud-codeclaudeClaudeがそのディレクトリのコードベースを読み込み、指定されたタスク(リファクタ、テスト作成、修正、構造変更など)を自律的に実行してくれるのです。
あわせてご覧ください
Claude Codeとは?料金・機能・安全性をわかりやすく解説
ターミナルを選んだ理由
この点について、開発者のBorisはこう語っています。
「社内のエンジニアが使う開発環境はバラバラ。VSCodeもいれば、Vim信者もいる。だからこそ、最も共通しているターミナルを入口にしたんです。」
結果として、ClaudeCodeは以下のようなメリットを持つようになりました。
- どんな開発環境でも使える(GUIや特定のIDEに依存しない)
- 軽量で高速に改善が回る(UIを持たないため開発サイクルが早い)
- 既存のIDEともシームレスに併用できる
特にVSCodeなどのIDE内ターミナルで使用すれば、Claudeによる編集内容がそのまま画面上に反映されるため、人間とAIが同じ画面で共同作業をしているような感覚が得られます。
社内ツールから外部公開へ
ClaudeCodeはもともと、Anthropic社内向けの非公開ツールでした。しかし、社内全体に展開したところ、わずか3日間で社内DAU(Daily Active Users)が垂直上昇。
「これはもう、“出すべきだ”と確信した瞬間だった」と、Borisは振り返ります。外部公開後も反響は大きく、特に以下のようなユーザーから高評価を得ています。
- 大規模コードベースを扱うエンタープライズ開発者
- IDEにこだわりがある個人開発者
- CI/CD環境やGitHub Actionsと連携して運用するDevOpsエンジニア
実際のユーザー像がはっきり見えてきたことで、ClaudeCodeが単なる社内ツールではなく、広く求められている開発支援インフラであることが明らかになったのです。
Claude 4で見えた進化の実感
当初、Claude CodeはClaude 3.7 Sonnetで動いていましたが、現在はClaude 4シリーズ(Opus/Sonnet)に移行済みです。この切り替えによって、「一発で意図を汲んで正確にコードを生成する」精度が飛躍的に向上しました。
たとえば、
- ユニットテストの生成 → ほぼ100%自動で正確に完了
- リファクタリングや修正指示 → 一度で期待通りの出力が可能に
- GitHub Actionsとの統合 → PR上で
@claudeを呼び出して修正・レビュー依頼が可能
これにより、従来は「ちょっと面倒だから後回しにしよう」となりがちだったタスクが、“一瞬で済む”ものへと変化しています。
Claudeを活かす開発スタイル(書くより、指示する)
Claude Codeを使った開発は、これまでの「人間がコードを書く」というスタイルとは大きく異なります。
“Claudeに計画を立てさせ、必要に応じて修正する”という、エージェント指揮型のスタイルが主流になります。
実際にAnthropicの開発者たちはこんな使い方をしています。
- まずClaudeに「この機能をどう実装するか計画を立てて」と依頼
- いくつかの選択肢を提示させ、その中から採用案を選定
- その後、Claudeにコード生成を依頼し、自動でファイル編集
- 仕上げの微調整だけ人間が実施(必要なら)
このように、「設計 → 思考 → コーディング」までClaudeが担当し、人間は判断とレビューに集中できるのです。
Claude MDで作業ルールを共有する
Claude Codeでは、Claudeに「いつもこうしてほしい」「このディレクトリは特殊だよ」といった指示を、.claude.md というMarkdownファイルで記述しておくことができます。
たとえば、
## 常に考慮してほしいこと- 編集後は必ずlinterを実行する- テストファイルは`__tests__`に出力- このプロジェクトではTypeScriptを使っているこうした設定は次の3種類のファイルで管理できます。
- プロジェクト共通設定:
claude.md - 個人ユーザー用メモ:
claude.local.md - 全プロジェクト共通の設定:ホーム配下の
.claude/フォルダ内に配置
これにより、Claudeが”あなたの文脈”を理解した状態で作業を始めてくれるようになります。
GitHub連携でClaudeがチームメンバーに
Claude Codeは、GitHubと統合することで”Claudeに直接IssueやPRで仕事を振る”ことが可能になります。
使い方はとても簡単です。
claude /install github actionこのコマンドをターミナルで実行するだけで、Claudeがリポジトリに統合されます。
あとはPRやIssue上で、以下のようにコメントするだけです。
@claude fix this@claude write testsClaudeが自動でファイルを修正し、新しいブランチやPRを作ってくれるのです。
まとめ
Claude Codeは、「AIが手伝ってくれるコーディングツール」ではありません。それは、あなたのチームに常駐する”超優秀な同僚”をひとり追加する体験に近いものです。導入は非常にシンプルです。
Node.js環境があれば、以下2行で始められます。
npm install -g @anthropic-ai/claude-codeclaude小さな修正タスクやユニットテストから試してみて、Claudeと”ペアプロ”してみるところから始めてはいかがでしょうか? 今後はターミナルやGitHubだけでなく、チャットアプリや日常のコミュニケーション環境の中にClaudeを招き入れる未来も見えてきています。開発者が「コードを書くために環境を整える」こと自体が、次第に過去のものとなるかもしれません。
【参考】
本記事は Anthropic 技術スタッフ Boris 氏による公式トーク(YouTube)の全トランスクリプトをもとに執筆しました。