AIがコードを読み、テストし、修正してプルリクエストまで生成するワークフローは普及段階に入っています。Anthropicは2025年10月、「Claude Code on the web」を発表し、ブラウザからGitHubリポジトリに接続して、隔離されたクラウド環境で複数のコーディングタスクを並列実行できるようにしました。研究プレビューとして提供され、iOSアプリからの操作にも対応し、安全なGitプロキシやネットワーク許可の制御などセキュリティ面の説明も公表されています。
本記事では、その背景・機能・使い方・導入ポイントを整理し、企業や開発チームが導入を検討する際に役立つ情報をまとめます。
目次
- 発表の背景と狙い
- 仕組みと従来環境との違い
- Claude Code on the webの特徴
- 実行と自動化の効率化
- サンドボックスによる安全性
- 運用と拡張のしやすさ
- 活用が期待されるシーン
- 導入と操作の流れ
- 提供プランと利用条件
- 導入前に確認すべきポイント
- まとめ
発表の背景と狙い
Anthropicは「ブラウザから安全にコード作業を委任できる環境」を提供することを目的に、本機能を発表しました。
従来は端末やIDE上で作業する必要がありましたが、Claude Code on the webではクラウド上で独立した実行環境を用意し、より安全かつ効率的に開発を進めることが可能 です。
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研究プレビュー段階では、Pro/Maxプランの利用者が使用可能。
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iOSアプリからの操作に対応し、モバイル環境でもタスクの監視や介入が可能。
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各セッションは完全に隔離されたクラウド環境で動作し、リアルタイムに進捗を確認しながら方針修正が行えます。
この構成により、ローカル環境でのリスクを最小化しつつ、実装からレビュー前段までの開発サイクルを短縮することが期待されます。
仕組みと従来環境との違い
Claude Code on the webは、クラウド実行・サンドボックス隔離・安全なGitプロキシという3つの要素を組み合わせた構造です。これにより、従来のローカル開発やIDE拡張型ツールを補完します。
| 比較軸 | Web版(Claude Code on the web) | 従来(端末/IDEのClaude Code) |
|---|---|---|
| 実行場所 | Anthropic管理の隔離VMで実行 | ローカル端末で実行 |
| 並列性 | 単一UIから複数タスクを並列実行 | 端末側の実行に依存 |
| セキュリティ | ファイル/ネットワークの二重隔離。安全なGitプロキシ経由で認証・ブランチ検証 | 端末の権限モデルに準拠 |
| 移行性 | WebセッションをCLIへ引き継ぎ可能(Open in CLI) | 既存のローカル開発フロー |
この構成により、開発者は「ブラウザで安全に動かす」か「ローカルで柔軟に動かすか」を状況に応じて選択できます。
Claude Code on the webの特徴
Claude Code on the webの最大の特徴は、開発効率と安全性を両立させる設計思想 にあります。単なるWeb版エディタではなく、 クラウドでの実行・自動化・セキュリティ・運用性を包括的にカバー しています。
実行と自動化の効率化
クラウド上で 複数タスクを並列に実行し、進捗をUIで可視化 できます。実行中でも指示の修正(ステアリング)が可能で、短いサイクルで反復的な改善を実現します。
さらに GitHub連携を前提に、コード変更・テスト・差分要約・PR作成までを自動化。CLIとも連携できるため、Webとローカルを往来しながら開発を進められます。
サンドボックスによる安全性
OSレベルの隔離機構(Linux bubblewrap、macOS seatbelt)を活用し、許可されたディレクトリやドメイン以外へのアクセスを遮断します。
内部検証では、権限確認プロンプトを84%削減する効果を確認。 通信はすべてセキュリティプロキシ経由で監視され、リスクのあるリクエストを自動で遮断 します。
運用と拡張のしやすさ
共通のビルド環境に加え、Hooks機能を用いて依存関係のインストールや初期設定を自動化できます。
環境変数やネットワーク許可範囲を事前定義することで再現性の高い実行が可能です。
また、iOSアプリでも起動・監視ができ、モバイル端末からの軽微なタスク操作にも対応しています。
このように、Claude Code on the webは「並列実行」「安全なGit連携」「二重隔離」「共通環境」を組み合わせることで、開発現場の”自動化とガバナンス”を両立する設計になっています。
小規模な修正から大規模なメンテナンスまで、エージェントによる支援を現実的なレベルで運用できるのが最大の特徴です。
活用が期待されるシーン
導入直後は、短い反復で成果を確認しやすい範囲から始めると定着しやすくなります。
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既存プロジェクトの構造把握や実装方針の確認。
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バグ修正や定型で明確なタスク。
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ローカルにクローンしていないリポジトリでの説明・修正・PR作成。
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テスト駆動で進めるバックエンド変更。
これらは 公式ドキュメント でも推奨されており、短期間で成果を可視化しやすい領域です。
導入と操作の流れ
初回は「GitHub接続」と「環境の選択」を済ませるだけで着手できます。
Claudeの「Code」タブにアクセスし、GitHubアカウントを接続して対象リポジトリにClaudeのGitHubアプリを導入します。
環境セレクタでネットワーク許可(例:パッケージ取得のみ)と環境変数を設定し、実装したい要件を文章で入力します。

開始後は進捗ビューを見ながら必要に応じて指示を追加し、完了時に差分サマリーを確認してGitHubでPRを作成します。継続作業が必要な場合は「Open in CLI」で端末側に引き継いでローカルで続けます。
提供プランと利用条件
Claude Code on the webは、個人・チームいずれのプランでも利用可能です(研究プレビュー時点)。
| 区分 | 料金(税別) | 主要な含有要素(抜粋) | Claude Code on the web対応 |
|---|---|---|---|
| Pro | $17/月(年払い)または$20/月 | 追加利用枠、ターミナルからのClaude Code利用 等 | 利用可(研究プレビュー) |
| Max(5x / 20x) | $100 / $200(月額) | Pro上位の利用枠・優先アクセス 等 | 利用可(研究プレビュー) |
| Team(Standard / Premium) | $25 / $150(1ユーザー/月、最少5名) | 管理機能、PremiumはClaude Codeを含む | PremiumでClaude Code提供、 Web版は近日対応 |
また、Web版のセッションはアカウント内の他のClaude利用とレート制限を共有する点に留意が必要です。
導入前に確認すべきポイント
Claude Code on the webを安全に運用するためには、以下の3点が重要です。
- 対応範囲と運用制約
Web版はGitHubのみ対応(GitLabなどは対象外)。並列実行は効率的ですが同一アカウントのレート上限を消費するため、運用ポリシーを定めて安定運用を図る必要があります。
- ネットワークとGit安全性
外部送信リスクを抑えるために許可ドメインを最小化・定期棚卸しするほか、Git操作はスコープ付き資格情報を検証するプロキシ経由で処理されます。加えて、テスト・静的解析・セキュリティスキャンなどのレビュー工程を併用して品質ゲートを設けるのが現実的です。
- 社内規程との整合
SaaS利用やソースコード管理、監査ログ要件などについて、社内ポリシーと矛盾しないか事前に確認を。 公式ドキュメント ではセキュリティと隔離の考え方が明示されています。
こうした前提を整えることで、クラウド実行の利便性を保ちながらリスクを管理できます。
まとめ
Claude Code on the webは、ブラウザから安全なクラウド環境でコード作業を委任し、複数タスクを並列に進めてPRまで一気通貫で到達させる仕組みを提供 します。OSレベルのサンドボックスと安全なGitプロキシにより、権限承認の頻度を抑えつつリスクを低減し、必要に応じてCLIへ引き継ぐ柔軟性も確保されています。
料金は個人向けPro/Maxで利用でき、チームではPremium席でClaude Codeが提供され、Web版は近く対応予定と明示されています。まずはバグ修正やバックエンドのテスト駆動変更など、効果測定しやすい領域から適用し、ネットワーク許可やレビュー体制を含む運用設計を整えながら適用範囲を広げると、導入効果を安定して積み上げられるはずです。